ZDDPは、ジアルキルジチオリン酸亜鉛（Zinc dialkyl dithio phosphate）として知られ、抗酸化性、防錆性、耐摩耗性を有する多機能添加剤であり、エンジンオイル、油圧オイル、トランスミッション液、ギアオイル、グリースなどの潤滑油に広く使用されており、また、機械設備の耐摩耗性を向上させ、機械装置の寿命を延ばすために重要な役割を果たしている。

市場概況

世界のZDDP市場は近年、着実ではあるが緩やかな成長を示している。当社の調査データによると、2024年の世界のZDDP市場の売上高は27億400万米ドルに達し、2023年から2.47%の成長が推測されている。今後も、効率的で環境に優しい製品に対する世界的な需要の高まりや、ガラス繊維強化セメント（GRC）、着色アルミニウム合金、カラーコーティング鋼などの新素材の開発・応用により、市場の拡大が見込まれ、世界のZDDP市場収益は2029年までに30億7,400万米ドルに増加すると予想されます。

セグメント市場分析 

製品タイプでは、含まれる炭化水素基に基づいて、ZDDPは芳香族ZDDPとアルキルZDDPの2種類に大別され、アルキルZDDPの中でも1級ZDDPと2級ZDDPに区別される。本調査によると、第二級アルキルZDDPが市場を主導しており、2024年までの市場シェアは66.63%を占めると推定されている。

エンドユーザー別では、ZDDPは主に自動車、工業、その他の分野で使用されている。なかでも自動車分野はZDDPにおいての需要が最も高く、2024年の推定用途シェアは79.69%で、下流アプリケーションにおける最大市場になると予想されます。

主要地域市場分析

地域別では、世界のZDDP市場は北米、欧州、アジア太平洋の3つの主要地域に集中している。

中でもアジア太平洋地域は最大の消費市場となり、データによると、アジア太平洋地域におけるZDDP消費量は2024年に4,540万トン達し、世界総消費量シェアの40.43%を占めると推定されています。